住まいに関わるお金のコラム

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金利や住宅ローンなどの住まいに関わるお金の知識が満載です。

超低水準のローン金利は、マイホームの夢を実現する最強の味方

 マンションでも建売住宅でも、今、マイホームの夢を実現しているのは1970年以降に生まれた、いわゆる団塊ジュニア世代が中心です。安定した価格、有利な住宅税制、史上まれな低金利という3つの追い風を上手に使って、家賃並の支払いでマイホームを購入しているのです。特に、超低水準を維持している住宅ローン金利は、最強の味方といえます。
 住宅金融公庫の基準金利は現在、年2.60%(11年目以降は3.50%)です。民間金融機関の住宅ローンも低水準で、みずほ、東京三菱、UFJ、三井住友、りそなといったメガバンクの場合、12月の新規貸出分の変動金利型は、期間10年超で一律2.375%です。また、固定金利選択型は3年固定が一律2.25%、5年固定が一律2.85%、10年固定が3.70~3.80%、20年固定が4.50~4.80%です。10年ほど前のバブル期には、住宅金融公庫が5.50%、都市銀行などでは軒並み7~8%でした。

自己資金を貯める努力が、ムダになることもある

 低金利期と高金利期では、返済負担がいくら違うのかを具体的な数字で比較してみましょう。 実際の数字で見ると、そんなに差があるのか、現在の金利水準がどんなに有利かが実感できるからです。
 ここでは、現行金利は3%前後が多いのでこの金利と、10年前は7%周辺でしたからこの金利で比較してみます。仮に返済期間を30年、借入額を2,000万円とすると、総返済額は3%だと約3,000万円なのに対し、7%だと約4,800万円になりますから、単純計算でその差は実に約1,800万円です。1%金利が上昇して4%になるだけでも、その差は約480万円です。
 見方を変えて、月額家賃10万円の賃貸住宅に住んでいる人が、毎月の賃料10万円をそっくり住宅ローンの返済に充てると仮定すると、利率3%だと約2,400万円の融資が受けられますが、7%に上昇すると約1,600万円に減少します。つまり、同じ返済額で約800万円もの差になります。これが何を意味しているかというと、実は現行金利だと当時より800万円も高額なマイホームが手に入る、つまり自己資金がそれだけ貯まっていたことと同じ理屈だということです。
 自己資金を増やすためコツコツ貯めていても金利が上昇するとその努力がゼロになる、時にはマイナスになる危険すらあります。ローン金利が超低水準の今は、マイホーム決断のグッドタイミングといえます。
(金利は2003年12月20日現在)


※2004年1月に掲載されたものを転記しています。
ジャーナリスト・斉藤良介
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